新年にあたって(2018年1月)

公益社団法人 日本栄養・食糧学会
会長
下村吉治

公益社団法人 日本栄養・食糧学会:下村吉治

新年を迎え一言ご挨拶を申し上げます。会員の皆様にはお健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。  

本学会では、旧年中に大きなイベントが前半と後半に1つずつありましたので、まずそれらを振り返りながら本学会の現状について述べさせていただき、その後に現在の問題に対する対応策を述べさせて頂きたいと存じます。  

昨年の本学会の年次大会(第71回大会、5月19日~21日)は、学会70周年を記念して沖縄で開催されました。この大会では、70周年記念のために国際シンポジウムおよび特別講演が企画されました。

この国際シンポジウムでは、次期(2017~2021年)国際栄養科学連合(IUNS)会長であるDr. J. Alfredo Martinez、本学会とMOUを交換した5学会(4ヶ国)の会長(アメリカ栄養学会ASN会長Dr. Marian L. Neuhouser、韓国食品科学栄養学会KFN会長Dr. Yong-Jun Cha、韓国栄養学会KNS会長Dr. Moon-Jeong Chang、台湾栄養学会NST会長Dr. Ching-Jang Huang、中国栄養学会CNS会長代理Dr. Jie Zhu)に講演して頂き、その際に本学会70周年の祝辞を頂きました。さらに、その場で台湾健康食品学会HFST会長Dr. Sue-Joan ChangとMOUを交換し、今後の交流を約束しました。

大会の一般演題数は、沖縄での開催ということもあり例年よりも多い722題が登録されました。このように大会は盛大に行われ、成功裡に終了いたしました。会頭の山田耕路先生、実行委員長の屋 宏典先生、および実行委員会の先生方のご尽力に心より御礼申し上げます。  

次の大きなイベントとして、10月15日~20日にブエノスアイレス(アルゼンチン)で開催された第21回国際栄養学会議(21st IUNS-ICN 2017)を挙げたいと存じます。ご存知のように、次の第22回会議(2021年)は本学会が主催団体の1つとして東京で開催されますので、ブエノスアイレスではそのプロモーションをしなければなりません。IUNS総会等でのプロモーションのための講演は組織委員長である加藤久典先生によって数回行われ、さらに日本ブースを設営して積極的に次回の第22回会議を宣伝しました。

一つのハプニングとして、ブエノスアイレスでの会期中に主催者より供給されたランチが簡素であったために参加者の不満が募り、さらに日本ブースの壁紙に大きく描かれた寿司等の日本食の色があまりにも鮮やかであったため、次回の東京での会議のランチを非常に期待している旨のメッセージが、かなり多く寄せられました。これらのメッセージは一つのプレッシャーでしたが、東京では「心配無用!」と大見得を切りたい心情になったことも事実です。

今後、この東京での第22回会議を成功させるための準備をさらに積極的に行っていく所存ですが、その中には本年6月に開催されるアメリカ栄養学会(ASN、ボストン)、2019年8月に開催される第13回アジア栄養学会議(13th ACN、バリ、インドネシア)等でのプロモーションが含まれます。このように、本学会の国際活動はますます発展しています。会員の皆様には、国内大会のみならず国際学会にも積極的にご参加いただき、プロモーションにご協力頂くことをお願いする次第です。  

以上のように本学会の活躍は華々しいのですが、残念ながら本学会の会員数は減少傾向にあり、正会員数は3000名を切りました(これまでの最高正会員数:平成15年の3828名)。これには、少子高齢化および大学教員ポストの減少などの日本の現状が反映されていると考えられますが、何とか会員数を増加する必要があります。それには、大学教員のみならず企業などの方々の会員数を増加することが重要と考えます。

本学会では、昨年度に利益相反(COI)管理のための指針等を整えることができ、本年度よりそれを運用する運びとなっています。このCOI管理の制度は、前会長の近藤和雄先生のご指示により企業の方々にも運用しやすい制度としました。従いまして、会員の皆様には企業等からも会員をご勧誘いただき、学会員の増加にご協力いただきますようお願いいたします。  

本年の年次大会(第72回大会、5月11日~13日)は、岡山にて辻 英明先生会頭のもとで開催されます。この大会に、会員のみならず非会員の方もお誘い合わせの上、多くの方のご参加をお待ち申し上げています。また、それが会員増に繋がることを期待しています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。