拝啓 浅春のみぎり、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

2012年6月30日に東京国際フォーラム・D5ホールにおいて、午前8時45分より、「加齢疾患への対応―治療から予防へ」会議を開催いたします。

この会議は、PAインターナショナル(理事長 マルク・エイスキンス元ベルギー首相)と公益財団法人アジア人口・開発協会=APDA(理事長 福田康夫・元内閣総理大臣)共催、高齢社会NGO連携協議会(JANCA)一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉 協会(ASIW)、佐々木敏・東京大学大学院医学系研究科教授の協力のもと、開催されるものです。当初4月4日(水曜日)に開催する予定にしておりました会合を、小宮山洋子厚生労働大臣のご日程に合わせ2012年6月30日(土)に延期し、開催することとなりました。

この会議は、加速する高齢化の中で増大する社会負担や医療制度に関する問題について政策立案者、政治家だけでなく、学者、高齢者/患者団体、医師、栄養学者、高齢者介護従事者、食品業界などの代表者を招き、解決策を探ることを目的とし、とりわけ栄養療法を介した栄養不足と病気を防ぐ現実的な医療モデルについて考えます。年齢に関わる病気の単なる治療から予防に力を入れることで社会全体の健康を増進し、さらに高齢者が生き生きと生活し、そして同時に特に高齢者に特化した栄養食品の開発や販売を通して経済効果も期待することができます。

今回のプログラムは4月4日に開催する予定にしておりました会議に比べ、高齢者の健康問題の解決に取り組むうえで重要となる精神的な方向性に力点を置いたものにしたいと考えております。このため高齢者が果たすべき役割があること、そしてそれが社会にとって非常に有益であることについて積極的に発言されている瀬戸内寂聴師(寂庵庵主)にご講演をお願いいたしました。この会議の席で、瀬戸内先生に対し、これまでの日本文学や精神的な分野におけるご貢献と、健康的で活発な日本の高齢社会の構築に向けたご貢献に対し、弊財団として「高齢者のエンパワーメント賞」を授与させていただく予定にしております。

現在日本では5人に1人が65歳、さらに約3千万人のうち3人に1人が75歳以上と言われています。内閣府によると2055年までに5人に2人が65歳以上、そして4人に1人が75歳以上になると推測しています。さらに出生率の低下も合わさり、2055年までには1人の高齢者をたった1.3人で支えていかなければなりません。途上国・発展途上国においても同じような現象が進んでいます。

野田佳彦総理大臣は2011年第20回高齢社会対策会議において次のような趣旨の発言をしています。「人類史上、前人未到のスピードで高齢化が進み日本はこの問題に先進国として初めて挑戦することとなる。悲観的になるのではなく高齢化社会にしっかり向き合って世界最先端のモデルを作り、高齢者の健康を増進し、さらに高齢者の消費を活性していくことが解決策のひとつである。」

日本は世界一の長寿国ではありますが、社会全体の健康を増進することは望ましいことでもあり、必要なことでもあります。この考えは若いころから栄養、食事、運動、リラクゼーション、飲酒や喫煙といったライフスタイルに気を配ることで初歩的な病気予防をするという高齢社会対策会議大綱にも盛り込まれています。大綱に10年以上に渡り取り上げられているように、教育や科学に基づいた信頼できる情報を十分に提供することが社会全体の健康を増進するカギとなります。

会議の詳細はプログラムをご覧ください。
http://www.pa-international.org/HA_P.htm

参加は無料ですが登録が必要です。下記のリンクよりご登録ください。
http://www.pa-international.org/Registration.htm

時節柄ご多忙の極みとは存じますが、なにとぞ宜しくご高配のほどお願い申し上げます

敬具

Prof Mark Eyskens
Chairman, PA International Foundation
Former Prime Minister of Belgium

PAインターナショナル
理事
前環境大臣
広中和歌子

公益財団法人アジア人口・開発協会(APDA) 
常務理事・事務局長    
楠本 修