新年にあたって(2017年1月)

公益社団法人 日本栄養・食糧学会
会長
下村吉治

公益社団法人 日本栄養・食糧学会:下村吉治

新春にあたり一言ご挨拶を申し上げます。学会員の皆様におかれましてはお健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

私は、本年度(平成28年5月)より会長を拝命し、微力ながら本学会の運営に邁進しております。幸いにも、副会長の宇都宮一典先生を始めとする精鋭たる理事の諸先生方、および高野靖事務局長等のご協力によりまして、現在のところ本学会の状態は安定し学会活動は順調に進行しています。ここでは、現在の本学会を取り巻く栄養学関係の国内のみならず世界の動きと、それに対応する本学会の活動についてご報告いたします。

まず、国内のイベントとしましては、本年5月19日~21日に九州・沖縄支部にご担当して頂き、第71回年次大会を開催いたします。この大会では、本学会の創立70周年を記念して沖縄の地で大会を開催して頂くように、九州・沖縄支部には特別のご配慮を賜りました。ここに、改めて厚く御礼申し上げます。この大会の特別行事としまして、創立70周年記念特別講演会と国際シンポジウムを企画していますので、多くの会員の皆様のご参加とご自身の演題発表を宜しくお願い致します。

本学会を取り巻く日本の栄養学関係の動向としまして、現在、日本栄養改善学会理事長の武見ゆかり先生のお声がけにより、日本の栄養学関係の10以上の学術団体により、日本栄養学学術連合(仮称)が結成される方向にあります。この連合は、栄養学関係の各学術団体が個々の活動(それぞれの歴史)を維持しつつ、互いにゆるやかにつながり、情報の交換と共有を行うネットワークとして機能すると同時に、栄養学関係の情報の発信力および発言力の強化を図ろうとするものであります。本学会も、この連合に参加することを理事会において決議しました。

一昨年(平成27年)5月にアジア栄養学会議(12th ACN)が横浜で開催されたことはまだ記憶に新しい方もおいでになるかと存じます。このACNにおいては本学会の多くの会員が中心的に働き、その甲斐あって会議は大成功を収めました。この会議以降、本学会の世界的な知名度は上昇したように思われます。それと同時に、本学会の平成24・25年度の会長であられた宮澤陽夫先生が、現在国際栄養科学連合(IUNS)の理事としてご活躍しておいでになることより、本学会は世界の栄養科学で重要な立場にあると言えるでしょう。

本年の10月15日~20日には、第21回国際栄養学会議(21st IUNS-ICN)がブエノスアイレス(アルゼンチン)で開催されます。この会議では、本学会と他学協会(日本アミノ酸学会国際アミノ酸科学協会)の共催でシンポジウムを開催予定です。また、この会議の4年後(2021年9月14日~19日)に第22回国際栄養学会議(22nd IUNS-ICN)が東京で開催されることが決定していますので、この東京での22nd IUNS-ICN組織委員会(委員長:加藤久典先生)により、会議の引き継ぎ並びに東京での会議の紹介をブエノスアイレスで実施する予定であります。

会員の皆様には、来年のブエノスアイレスでの会議はもちろんのこと、少々先ではありますが東京での会議にもご出席の計画をたてて頂ければ幸いに存じます。日本で国際栄養学会議が開催されますのは、昭和50年(1975年)に京都で第10回会議が開催されて以来46年ぶりとなりますので、2021年東京での会議は、日本の栄養学関係の水準の高さを世界に示し、世界との繋がりをさらに強化する貴重な機会になると思われます。

以上のように、本学会を取り巻く国内並びに世界の状況はアクティブに動いています。そういった状況の中で、本学会は国内のみならず世界の栄養科学において重要な役割を担っていると言えるでしょう。本学会の機能は、会員皆様のご活躍によって成り立っていますので、今後とも相変わらず皆様のご研鑽と本学会へのご協力をお願いする次第です。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。